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【世界遺産候補】ICOMOSの「「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群」に対する登録勧告内容を今一度振り返ってみる

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今一度、2017年5月5日でユネスコ世界遺産センターから報告されたICOMOSによる「神宿る島」宗像・沖ノ島の関連遺産群に関する評価結果を振り返ってみましょう

 

 

今回は、下記の文化庁による報道発表を元に、どういう理由で沖ノ島のみ登録勧告されたか、どういう理由でその他の関連遺産群は除外勧告を受けたのかを振り返ってみます。

 

我が国の推薦資産に係る世界遺産委員会諮問機関による評価結果及び勧告について

(pdfファイル)

 

イコモスの評価結果

 

「『神宿る島』宗像・沖ノ島と関連遺産群」については,「記載」が適当との勧告がなされた。ただし,宗像大社沖津宮遙拝所,宗像大社中津宮,宗像大社辺津宮,新原・奴山古墳群を除く。

 

「記載」が適当とのことで、第41回世界遺産委員会(2017年7月2~12日)での世界遺産登録がほぼ確実になったので、喜ばしいことではあるが、一部だけということである。

 

つまり、もともと申請していた下記構成資産に対し、黒字は登録勧告ではあるが、薄字はふさわしくないと判断されたということ。

 

・宗像大社沖津宮(沖ノ島,小屋島,御門柱,天狗岩)

・宗像大社沖津宮遙拝所

・宗像大社中津宮

・宗像大社辺津宮

・新原・奴山古墳群

 

完全性について

 

審査の基準として「完全性」と「真実(真正)性」が重要となる

イコモスは資産全体が国レベルで十分な法的保護が担保されていることを認める。構成資産は全体としてOUVがあることを証明しておらず,沖ノ島と3つの岩礁(小屋島,御門柱,天狗岩)のみに認められると考える。  

 

→ 構成資産はすべて国レベルで守られていることは認めるが、OUV(顕著な普遍的価値)認められない。

 

真実(真正)性について

 

イコモスは古代祭祀の考古学的物証を示す沖ノ島にのみ真実性が証明されるものと考える。

 

→ 真実性は沖ノ島以外には認められない。

 

 

登録基準

 

登録基準(ii)

イコモスはこの評価基準が資産全体に対してではなく,沖ノ島及び3つの岩礁(小屋島,御門柱,天狗岩)にのみ正当化されていると考える。

 

→ 沖ノ島においては、4世紀~9世紀ごろ、日本列島と朝鮮半島など古代東アジアとの文化的交流、価値観の交流があったことが認められた

 

登録基準(iii)

 イコモスはこの評価基準が資産全体に対してではなく,沖ノ島及び3つの岩礁(小屋島,御門柱,天狗岩)にのみ正当化されていると考える。

 

→ 登録基準(ii)同様、登録基準(iii)においても、航海安全祈願のための祭祀など500年にわたる文化的伝統が受け継がれていることが認められた

 

登録基準(vi)

イコモスはこの評価基準が資産全体だけではなく沖ノ島に対しても正当化されていないと考える。

 

→顕著な普遍的価値がある伝統とまでは認められず、「日本国内レベル」の価値であるとしか認められず。

 

 

 

 

 

「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群のICOMOSによる登録勧告まとめ

 

「沖ノ島及び3つの岩礁(小屋島,御門柱,天狗岩)」においては、今なお世界遺産として登録すべき状態で保存されており、国内にとどまらず、世界との文化的交流、文化的伝統が存在するが、ほかの宗像大社沖津宮遙拝所、宗像大社中津宮、宗像大社辺津宮、新原・奴山古墳群にはそのような価値は認められない」

 

といったところでしょうか。

 

なかなか日本固有の価値観を世界の人に理解してもらうには、難しいとは思いますが、構成資産8つすべてで登録を目指すには、7月開催の世界遺産委員会までのあと一か月で登録基準(ii)、(iii)において、沖ノ島のみならず、その文化的交流、文化的伝統と結びついていることを証明、アピールすることがカギかと思われます。

 

登録勧告の内容を読み解けば、どうすれば登録に持ち込めるのかのヒントが隠されていますね。それを証明するのは非常に難しいですが。。。 

 

ではは。